10年前の今日この日に。肺がんステージ4のオットのとAYA世代ツマの看病記録

2007年3月。ずっと続くと思っていた当たり前の毎日が一変しました。40歳になったばかりの夫に、まさかのがんの診断。あの日、何があったんだろう、何を感じていたんだろう。10年前の夫婦ふたりそれぞれの日記・記録を、2017年の同じ日付の日に。「あのとき」を改めて読み返します・・・・・・とやってみたのですが、1カ月分の転記で挫折。さらに時を経て、13回忌を迎えた今年、日記を転記していきます。とりあえずツマ分から。当時のAYA世代の患者家族の記録ということでアップしていきます。

2007年4月10日

朝、カメキチが、「客がきたときはくま子の母はあいさつだけで部屋に入ってくれていいのに」というから、「そうは行かない人なんだよ」ともめて険悪。

 

義父母が来ると行っていたが、下で待ち合わせにしてもらった。母はわたしにあいさつにだけでもいけば、というが、行かない。

 

母はゲルマ温浴へ。だいぶ身体がおかしいという。部屋で寝たきり。

 

カメキチが帰ってくるが、口をきく気もしない。義父母とは近所の美術館に行ったそうだ。そこにもビワの木があったときか。もっと洋風の庭を想像していたからずいぶん違った、ネコ好きにはたまらん場所だろうと言っていた。

 

夜、東京バレエ団白鳥の湖へ。カメキチは昼間でかけたからやっぱり止めるといっていたが、当日券が売っているからというので二人で出かけた。

 

会場についたら、当日券売り場に並んでいると「連れが来れなくなったから買ってくれないか」とチケットを差し出された。

 

S席、5列目30-31。当日券はSは売り切れ。Aは一階の後方。B席ははじっこだけ。値段もあるし…。そうしたらカメキチは「Sだとぼくたち予算オーバーなんで」と言ったら、「Aはいくらですか?Aの値段でも」と言ってくれたので買うことに!

 

前から5列目。ばっちり。こんな近くははじめて!表情までよく見えた。

一昨年観に行った別の日本のバレエ団のくるみ割り人形は好みではなかったけれど、全く違ってこれはよかった!!

 

最初は日本人だけだと小さいなあと思っていたら、カメキチ曰く、「王子様顔」の王子様が出てきた。すごいデカイ。お尻も引き締まっていてかっこいい!

 

みんな健康そうだ。白鳥が出てきたら、これまたデカイ!王子を食う存在感だった。でも神秘的ともいえる暗いシーンが多くて怖くもなり、涙が出てきた。

 

衣装も振り付けもよく大満足。カメキチをバイオリン、オケがいい、音がチャイコフスキーとよく合っていると喜んでいた。一昨年いった第九がこの楽団だったみたい。

 

帰宅すると、母がしんどそうだった。豆のご飯のたけたにおいからもう嫌になっていたみたい。抗がん剤から1週間経つのになあ。大変だなぁ。カメキチも「大変だよ」と言っていた。

 

カメキチは肺を痛がる。顔をしかめて相当の痛みのようだ。昨日、32歳で肺がんの人のブログを読んだ。亡くなっているから避けていたけれど、読んでみたら自分の意見をしっかりまとめられてテレビや講演の批評もする聡明な人だった。惜しいと思った。骨や肺に転移して、最後副腎に。そうしたらカメキチのように38.5℃とか熱が出て、あっという間に亡くなったみたい。辛い。

 

明日はいよいよだ。検査の結果発表。

 

今日の白鳥のチケットもついていたし、ついていることがとても多い。神様お不動様お父さん、どうぞカメキチと母をお守りください。