10年前の今日この日に。肺がんステージ4のオットのとAYA世代ツマの看病記録

2007年3月。ずっと続くと思っていた当たり前の毎日が一変しました。40歳になったばかりの夫に、まさかのがんの診断。あの日、何があったんだろう、何を感じていたんだろう。10年前の夫婦ふたりそれぞれの日記・記録を、2017年の同じ日付の日に。「あのとき」を改めて読み返します・・・・・・とやってみたのですが、1カ月分の転記で挫折。さらに時を経て、13回忌を迎えた今年、日記を転記していきます。とりあえずツマ分から。当時のAYA世代の患者家族の記録ということでアップしていきます。

2007年4月20日金曜日

ネットで人気サイトの医師相談を考える。意見をきいてみたい。

 

文面を考え、海苔巻きをつくる準備をしていたら、ガチャガチャと鍵の音がしてビックリ。カメキチが義母と外出から帰ってきた。

 

病室でコーヒーを飲んで、向かいのおじさんと話をしていたら、毎年ヨーロッパに夫婦で旅行に行っているそうで、ヨーロッパ本がみたいと物置をガサゴソ探し始める。

 

わたしはついアルバムに見入る。

 

でも、ガチャガチャという鍵の音。すごくうれしかったなぁ。ひとりしかいないと、聞こえない音。

 

今日は1/3量のタキソール。ステロイドを打って調子がよいようだ。顔色も家にいるうちによくなってきた。実家にいたネコを思い出す。病気になってから、ステロイド注射を打つと元気になっていたっけ。

 

ベランダのハーブに水やり。タラゴンを盛んに心配する。くず餅、リンゴを食べ、あっという間に病院に戻る時間。

 

「外の新緑がすごいなあ。すごい変わった!」

 

ハーブに水をやるとき、家に飾ってあるわたしの人形たちにも挨拶してくれる。この人を失いたくない。どうしたらいいの。

 

勤務先の局長からメール。霊媒師の先生に新しいパジャマを送るようにとのこと。祈祷してくれるらしい。

 

夜、病院のS先生に給湯室で会う。「貧血が進んでいるので心配だ、とても疲れると思う。外出させるのは心配なのだけれど…。輸血は昔のように副作用を怖れることはないので」と言われる。

 

便潜血については、上下からカメラで見る。何か見つかっても何もしない。

 

「なら、悪いことはもう知りたくない」とわたしが言うと、「肺がんは厳しい病気だから」と言われる。「がんばりましょう」と。

 

カメキチ、なんでこんなことになったの? もう霊媒師でも希望を託したいと思ってしまう。

 

昼、仕事仲間に電話。都内に席をおいているから、いつでも怖くなったら電話してと言ってくれる。気が治まるかもしれないでしょ、と。ありがたい。この人だから話したいこともある。お子さんはふたり、保育園だって。うらやましい。