10年前の今日この日に。肺がんステージ4のオットのとAYA世代ツマの看病記録

2007年3月。ずっと続くと思っていた当たり前の毎日が一変しました。40歳になったばかりの夫に、まさかのがんの診断。あの日、何があったんだろう、何を感じていたんだろう。10年前の夫婦ふたりそれぞれの日記・記録を、2017年の同じ日付の日に。「あのとき」を改めて読み返します・・・・・・とやってみたのですが、1カ月分の転記で挫折。さらに時を経て、13回忌を迎えた今年、日記を転記していきます。とりあえずツマ分から。当時のAYA世代の患者家族の記録ということでアップしていきます。

2007年3月11日(日)入院前日、ゴッホの絵に会いに行く

 

 

オット君は、100円ショップにトマト缶を買いに行き、

パスタをつくってくれる。

 

ほうれん草を入れ忘れ、具なし…。

たまたま残っていたおひたしをいれた。助かる。

 

天候が昼から晴れといっていたが、強風で怪しい。

でもどういう状態で退院できるか分からないから、と

前から行きたかったというオルセー展へ。

 

ポスターになっていたゴッホのアルルの寝室の絵を見て、オット君は感激。

プロヴァンスアヴィニョンの宿の空気を思い出すそうだ。

光、質素な感じ、だけれど温かい感じ。

また行きたい、行けるだろうかと思うと胸が詰まる。

本当になんてことなんだろう。

 

もうこんな風に出かけられなかったらと思って

ためらいながらも写真を撮らせてもらった。

こんな風にまた元気になろうねと言えるように。

また、あの時はずいぶん痩せていたのね、なんて

後から笑えるように使いたい。

 

疲れて入口のところのソファで休んで帰る。

風が寒かった。

 

周りの人が憎く感じてしまう。

どうして私のまわりばかりと思ってしまう。

 

帰って、病院のパンフを見る。

とても不安になってくる。

気になっている病院のほうにいったらよかったのか。

迷う。

オット君にこぼしたら、

入院前日の夜になって何を言うんだ、と涙を浮かべられた。

 

そうだね。ごめん。

私はオット君を失うのが怖いけれど、

オット君は命を失うかもしれないんだもん。ごめんねごめんね。

元気になろう、絶対。あきらめないよ。

治してもらわないと。

もう取り返しがつかないんだ。

 

夜、こんにゃく湿布をしながら、オット君はイビキをかきだす。

2回もこんにゃくを温める。

入院中もできたらいいのに。

 

ネットで検索。

レンジでもいける。

レンジ用の耐熱ガラスタッパー、買ってこよう。わーい。